はじめまして、富士山でお茶つくりをしています、五代目本多茂兵衛です!
日本の、世界中のお茶が大好きで、毎日日替わりでお茶を朝昼晩と3種類、年間300種類以上のお茶を飲んでいます!
そんな富士山の麓、富士市のお茶好きマイスター 五代目茶師 本多茂兵衛 が 日本茶(緑茶)について、種類や製法、美味しい入れ方、オススメのお菓子や産地などを、分かりやすく、比較/解説します!!
【 なんでお茶屋さんがお茶の説明を? 】
私はお茶が大好きで、富士山の麓で日本茶作りを続けながらも、世界中のお茶を飲みながらいつもある事を考えていました。
お茶はちょっとワインに似ています。
産地、製法、品種、香り、味、熟成、お菓子、料理、器・・・何から何まで似ています。
ちょっと小洒落たレストランで
『この赤はボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンだね。よく熟成されてスパイシーな感じだ。』
なんて聞くと何となく、スゴイ! と思ってしまいます。
ですが同じように、
『宇治の玉露は秋が深まると後熟して八女より覆い香が深いね・・・』
なんて言葉が飛び交う世界!
は正直なところほぼないです。
レストランにも、家庭にも。
あるのは富士山麓の私のお茶工場くらいなもの。
ですが、お酒飲みでない方、子供からお年寄りまで一緒に楽しめるお茶だからこそ、
そんな世界があってもいいじゃないか! と。
そんな世界を生み出すべく日本茶の全てを伝える、このコラムを立ち上げました。
富士山の茶畑に立って自然と向き合うからこそ分かる事、日本茶だけでなく世界中のお茶を飲み、紅茶も烏龍茶もプーアル茶も全部自分で作るからこそ分かる事。色々な料理に合わせてみたり、お菓子を食べ続けて見えた相性。その全てをこのサイトに記していきます!
というわけで、熱い思いを込めた宣言文ですが、最初は基本のキ、日本茶の種類からです。
【 日本茶の種類ってこんなにあるの? 】
大まかな日本茶の種類をズラリと並べてみましょう。
・・・・・等等。
おぉ・・・
かなりの数がありますね。とても覚えれそうにない!
誰でもそう思いますし、私も初めはそうでしたので大丈夫です。
【 日本茶の大定義! 】
何だか色々な種類のある日本茶ですがこれらのお茶に共通する部分がちゃんとあります。
それは、緑茶(りょくちゃ) であること。
これだけたくさんの種類がある日本茶の全てが、緑茶。
言われてみれば当たり前・・・かもしれませんが、コレが後々日本茶を語るに欠かせない部分になってきます!
そもそも、緑茶って何? と聞かれると皆さん困ってしまいませんか?
ペットボトルのお〜い茶は何茶だったの?
ほうじ茶も緑茶なの?
考えてみると不思議じゃないですか??
知っているようで知らない日本の緑茶。。。
順番に説明していきましょう!
【 日本茶=蒸し製緑茶。蒸して作る日本の緑茶! 】
・・・実は、日本茶は世界でも珍しい造りの緑茶なんです。
世界で一番緑茶を作っているのは中国ですが、その作り方は茶の葉を釜で炒って作る、釜炒り製法。それに対して、日本は茶の葉を蒸して作る[蒸し製法]!
この作り方は古代中国、宋の時代に伝わって以来そのまま日本で発展した独自の製法です。
茶の葉を蒸す事で葉に含まれる酵素の働きを止め発酵をさせない。
ですから緑の綺麗な葉のままです。
蒸すと言っても、その時間は数十秒から長くて2分。
お茶の成分をそのままに乾燥させるので栄養もそのまま!だから日本茶は身体に良いのです。
また、蒸す事でお茶の成分が出やすくなり、中国の釜炒り製法にはない芳醇な甘味や旨味を楽しめます。
この旨味こそ、日本人の食への想いが詰まった探究心ゆえの賜物で日本茶独特の味です。
蒸して作るのは共通でも、畑の栽培方法や、選別方法、その後の仕上げ方やブレンドで日本茶の種類はどんどん増えていきます。
初めは戸惑うかもしれませんが、だんだんと種類ごと味香りの違いが分かると面白くなります。
何はともあれ、飲みながら好きになってもらうのが一番です。
車の好きな方が車種を網羅しているように、ゲーマーがポケモンの全種類を知っているように、
是非ともワイン好きボルドー氏(仮)のように、日本茶を語れる茶人を目指して読んで飲んでいきましょう!
参考文献
「茶大百科Ⅰ」 農文協 2008
「茶大百科Ⅱ」 農文協 2008
「茶の科学用語辞典」 日本茶業技術協会 2006