[ 蒸しと炒り ]
緑茶は緑色の綺麗な飲み物ですよね?
あの鮮やかな色はお茶の健康美容の成分と一緒に葉緑素という成分を保ったまま感想をした証しです。
日本茶が健康にいいのは、成分を壊すことなく保存しているからなのです!
そのために製茶でとても重要になるのが「殺青」という工程。さっせい と読みます。
これはなにかというと、お茶の葉が持っている酸化酵素を止める作業です。
ちょっと専門的な話をします!ナナメ読みでいいので、何となくへぇーと思って読んで欲しい植物の仕組み。
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実は、お茶に限らず多くの植物が酸化酵素を持っています。
よもぎとか、どくだみとかの個性的な香り。あれも酸化酵素が反応した香りなのです。
お茶の場合、酸化酵素を全力で働かせると発酵茶こと、紅茶になります。その途中にあるのが烏龍茶のようなお茶で、半発酵茶といいます。
紅茶や烏龍茶はそれぞれにいい香りと美味しい味のお茶ですが、緑色じゃないですよね??
実は、発酵の過程で緑の成分葉緑素がなくなってしまうのです。
同時に、健康美容の成分も少し変化します。だから紅茶や烏龍茶と緑茶(不発酵茶と言います)では健康や美容にいい成分がちょっと違うんです!!
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[ 殺青にはいくつかの方法がある!? ]
緑茶は生の葉の色に一番近いお茶なので一番ピュアにお茶の成分が残っています。
実はそれを可能にするために、お茶の葉にある酸化酵素を熱で破壊しちゃってます!
その工程がさっき出てきた「殺青」。
さっせいにはいくつかの方法があり、日本では蒸して酵素を止める「蒸し製法」が主流です。蒸しでは蒸気を葉に当てることで葉の中の水分の温度を上げて中から酵素を壊します。
蒸す事で、一瞬で、しかも100%に近い破壊活動が行われ哀れ酵素は壊れていなくなっちゃいます・・・
そしてそのせいで、茶葉は少しちぎれやすくなり、結果として飲む時に濃くでるお茶になります。
一方、中国大陸で今なお主流なのは釜で葉を炒る、「炒り製法」明の時代以降ずっとこれで、日本にも明代に伝わってきました。
300度ほどに熱した釜で葉を炒る事で、葉の表面の温度が上がり内部の水分温度が上昇。これで酵素を壊します。
炒りといっても黒焦げに焦がすことはありません。むしろ、高温の釜で熱する中で新しい化学変化が始まり、釜でしか生まれない特別な香りが出てきます!
蒸気と違い外から水分を加えずにただただ葉の水分を飛ばしていくので出来上がりの形も葉そのもので、一回に出る味は薄めです。
欠点として100%の酵素破壊が難しいので、時間とともに少しずつ烏龍茶に近づいてしまいます。
このように同じ「殺青」をする緑茶でも色々な方法があり、どんなお茶が好みなのかで全く違ったお茶が出来てしまうのです!
緑茶が蒸しなのか釜炒りなのかは向かう方向性を大きく変える工程です。
皆さんがお茶を手にする時、大いに参考になる情報なのです!