【 粉茶って何のこな? 溶けるお茶は粉茶じゃないの?】
最近では日本茶も色々な種類が出てきたので、新しい商品と古い商品のごちゃ混ぜもあって何だか良く分からない方も多いと思います。
お茶が馴染みのあるような、ないようなふわりとした時代。
生産者は何とかしようと日々新商品の開発を頑張っているのですが、そのおかげで尚更お茶の種類って複雑になっていきます。
その中でも、粉茶は分かりにくいお茶です。
茶師の視点では、最近の商品ラッシュのおかげで特に分かりにくくなってしまったお茶が、粉茶。
ほとんどの日本人が煎茶=お茶と意識しないで生活しているように。
粉茶も、粉茶=粉のような物=溶けるやつ?と漠然とイメージで覚えてる事でしょう。
そんな粉茶。多くの方が何と間違うかというと、粉末茶です。
ですので、ここで改めて粉茶を説明します!
粉茶は、急須で飲むお茶です。
良いお寿司屋さんで土瓶で入れてくれるのが粉茶。
これは、お茶を製造する時に出てくる部分です。
日本茶は蒸してから揉んで乾かすのですが、その際に表面の部分が乾いて粉になってきます。
特に美味しい柔らかい部分ほど剥がれて粉になってしまうのです。
そこを集めたのが粉茶の正体だったのです!
製茶の業界では葉の部分を本茶ほんちゃ と言い、茎茶や粉茶を出物でものと言います。
出物は葉の部分からした場合に雑味として弾かれ、時にブレンドの為再度混ぜたり、粉茶のように単体で飲まれたりするのです!
一般には葉で売っている煎茶や玉露に比べてお買い求めしやすい粉茶ですが、良い原料のお茶の粉茶は絶品です。
特に、濃いめに飲みたい方にとってこれほど嬉しいお茶はありません。
安くて美味しい。何だか嬉しくなっちゃうお茶です。
【 溶けるのは粉末茶。挽き茶。技術革新で生まれた新しい飲み方! 】
皆さんがよく粉茶と間違える 粉末茶ふんまつちゃ は抹茶のように溶けるお茶。
分かりやすく言えばカッパ寿司やスシロー等のチェーンの回転寿しのお茶です。
挽き茶ひきちゃと呼んだり、もっと紛らわしいと食品用抹茶とか言われます。
これは日本茶を機械で抹茶サイズに粉末化したのです。
石臼に変わる粉砕器が生まれた事で、煎茶や玉露、番茶等なんでも粉に出来る時代が到来!
日本茶なら何でも粉末に出来るようになってしまいました。
抹茶との違いは、被服栽培していないお茶でも粉末化で来てしまう事。
粉末茶は良いお茶が原料なのか悪いお茶が原料なのか分からないので要注意です!
海外の茶葉が混ざっていても分かりません。
粉茶も粉末茶も、お求めの場合は信頼の置ける農家から直送がオススメです。
良い粉末茶、挽茶はこれはこれで美味しいのです。
静岡では焼酎をお茶で割って飲むのですが、そこに粉末茶を混ぜるとまぁ美味しい!
私は麦焼酎にほうじ茶派ですが、米焼酎の場合はお湯かお茶です。
また、ミルクラテにしたり、抹茶代わりに茶道の練習にしたり用途は何でもござれです!
しかも、良い茶葉の粉末茶は下手な抹茶よりも旨味と甘味があります。
何のお茶でも、どこから入手するのかはこだわってほしいところです。
【 粉茶の飲み方! 古めかしい竹の道具も現役? 】
粉茶は製造の時に出る粉、茶葉の表面の部分の集まりです。
生の葉を蒸して乾燥して荒茶という状態にした後に、ふるいにかけて選別します。
だいたい、一寸四方、3cm×3cmの間に30マスある位の細かさの網で落ちてくるのが粉茶。
上の編み目の事を寸メッシュといい、30番というと↑ のサイズです。
そうして選別した粉は、その後80度−90度の温度で火入れ乾燥をして特有の甘い香りを着けます。
火香というこの香りはアミノ酸や糖分が熱で変化したもの。
混ぜ物では一切ないです!
皆さんの好きなお茶の香りは多くは火香。粉茶も火香が着いています。
粉茶は玉露の粉だったり、冠茶の粉だったり色々ですし、場合によって混ざってる事もあります。
ただ、全般に言えるのが細かい分抽出は濃くなるという事。
そして、葉に比べて色は出るけど味はそこまで持続しない事。
やっぱり高級茶が高級茶なのは、美味しさもさることながら味の持続。良いお茶は割が良いのです。