【 都会を中心に大人気、玄米茶のひみつ 】
あなたの好きなお茶は何ですか?
と聞いた時に、都会の方に多い答えが 玄米茶。
言わずと知れた、お茶に炒り玄米のブレンドされたお茶です。
香ばしい玄米の香りがふわりと漂い、お茶の渋さとよく合います。寒い冬、あっつ熱の玄米茶…いいですよね!
そんな玄米茶ですが、詳しく解説しているページってあまりないです。
お茶屋さんも案外良く分かっていません。そんな足下にある当たり前の秘密、玄米茶についてです。
【 そもそも玄米入れてない? 玄米茶の始まりはお煎餅? 】
玄米茶とは主に煎茶に炒り玄米を混ぜたお茶ですが、その始まりは実は玄米は全く関係ないのです!
逸話では、古くなった餅を炙りお茶を注いで飲んだ事、または煎餅として炙った餅をお茶の中に割入り飲んだのが始まりと言われてます…
ってよく考えるとおかしくないですか?
始まりの逸話の真偽はともかくとして、どこにも玄米要素ないのです。今でも玄米茶の炒り玄米はお茶屋さんが炒るのではなく米菓屋さんが本職です。
つまり、玄米茶という名前でありながらも、実は煎餅+茶の、煎餅茶 が実情なのです。
【 炒り玄米のナゾにメス!こんなにたくさんの種類があるの?? 】
米菓屋さんで作られる炒り玄米。その種類も実は様々!
一般に良くある、ぽりぽりっとした炒り玄米、そのまま黒くなるまで焙煎した固い黒玄米、白く開いた花…それぞれの原料にはうるち米やもち米、そのままの玄米だったり、精米をしていたり、キビ等厳選された雑穀だったり、案外様々な原料が使われているのです。
その作り方も、蒸してからの炒りやそのままの炒り、熱風での焙煎だったり、昔ながらの砂炒りだったりと目指す玄米に向かって色々な方法をとります。炒り玄米一つとっても、巧みの技が光ります!
お茶もそれに合わせて選びます。
かつては番茶や下級茶を少し良くする為に玄米を混ぜてみようとしていましたが、最近では抹茶をまぶした抹茶入り玄米茶等の変わったお茶も出てきました。
玄米主体にお茶をほぼ混ぜないパターンもあります!そば茶みたいに飲んだ後食べる事が出来るのが魅力ですね。
【 混ぜ物としての玄米 市民権を得たチカラ 】
例えば、中国でのジャスミン茶。中東でのミント茶。
世界中で飲まれているお茶には、定番のブレンドというべきものがいくつかあります。
日本における玄米茶はまさにソレ。 日本茶の種類の中で唯一、お茶とのブレンドによる茶種が玄米茶です!
実は、日本茶世界ではお茶に何かを混ぜることを長らくしてきませんでした。
戦前、玄米茶が生まれたのもほんの百年あまり昔です。つい最近の出来事なのです。
静岡県には今でも、『お茶に何か混ぜるのなら静岡県に報告書を提出べし』という条例があります。
これは昔お茶にアミノ酸や重曹等混ぜ物をしていた時期や、似たような緑色の草を混ぜてカサまししていた事への取り締まりですが、この文には続きがあり「ただし、玄米を除く」と続くのです!
玄米茶だけはやはり別格、市民権を得た、純然たる日本茶です。
美味しい玄米茶を淹れる事でお茶の楽しみの幅は広がります!