【 外さないお茶の選び方 】
※この記事は 覚えておきたい緑茶の選び方その1 の続きです
覚えておきたい煎茶の選び方1 では、初心者は美味しいお茶を探すのではなく外さないお茶を選ぶ事をオススメしました。
「外さないお茶」は色々な意見があると思いますが、経済的な視点から、「何度も飲めるお茶」をオススメしました。
それでは、どのようなお茶が「何度も飲めるお茶」なのでしょうか。
茶園から工場まで網羅している茶師だからこその視点がコチラ。
あまり知られていませんが、実は・・・
【 何度も飲めるようなお茶の作り方がある 】
私がこれに気づいたのは紅茶や烏龍茶を作ってきたから。そしてもう一つ重大なことに気づきました・・・。
それは
「今の日本茶作りの王道は何度も飲めるお茶の作りではない」
ということ。
ともかく、今主流の日本茶は何度も飲めるように作っていません。なのでただ100g1000円のお茶を買っても何度も飲めないのです。
【 オススメしない作りのお茶 】
日本茶の製造において大切にされてきたのは旨味と甘味です。そして、それを一煎目でどれだけ味わえるか。
それがこの数十年の茶師の課題でした。
ですので、ここ数十年のお茶作りをしていると何度も飲めるお茶にはならないのです。
もっと直接的、具体的に言うと、お茶初心者は最初は「深蒸し茶を買うのはやめましょう」ということです。
深蒸し茶とは煎茶の中でも熱湯でも渋くなくて色がよく出るお茶です。
今のお茶作りの主流ですが、このお茶とにかく一煎目から濃くでます。
つまり、全体100のチカラのうち、一煎目で70、80の抽出を目指す為のお茶なのです。
当然続く2回目3回目の抽出では20、10としぼんでいき、息切れは早い。
色だけは出ますが、味も香りもすぐに薄まっていきます。
断っておきたいのは、深蒸し茶を買うな! とはけっして言っていません。
深蒸し茶は、私がオススメする初心者向けのお茶、「何度も飲めるお茶」ではないのです。
ガツンとした一煎を楽しみたい通には大いにオススメする深蒸し茶ですが、
何を買ったらいいか分からない不安タップリの初心者が大金叩くにはリスクがあるのです。
ですので、出だしの初心者に深蒸し茶はオススメしません、と言っています。
【 高すぎるお茶もオススメしない 】
安いお茶は買うな! と言った先からこれですが・・・
高すぎるお茶もオススメしません。
何故なら、私が見てきた限り、高いお茶ほど飲み手を選ぶ個性的なお茶になる傾向があるからです。
個性的なお茶はこれもまた博打なので初心者向けじゃないです。
また、出品などのコンテスト茶も現代製茶法ですので一煎目勝負のお茶。
初心者が目指すところの、お財布に優しい「何度も飲めるお茶」ではないのです。
具体的には100g5000円以上のお茶は初心者には避けましょう。
特に宇治茶の高級!100g 一万円!
みたいな世界は、贈り物で頂くのにはいいですけど・・・自分で飲むにはやめましょう?
そんな財布の中身と相談しないチキンレースのような大博打を初心者はしてはダメです。
【 たくさん買ってお茶を悪くするのは避けたい 】
100gでのお値段でお話をしてきましたが、出来れば100gで買うのも避けましょう。
覚えておきたい煎茶の選び方その1 でも計算しましたが
一人分で一日3g使っても大体二ヶ月分の量が100g。
途中にでも旅行行けば使い切るのにもっとかかりますし、牛乳やビール、コカコーラ・・・
お茶以外にも飲みたいものがたくさんあります。
そんな事をしている間に買ったお茶は酸化して美味しくなくなるのです。
お客様視点では、開封したお茶の香味が持つのは1月。
私達プロの視点では1週間程で変化が感じられます。
(厳密には、私は3日程だと思っています)
お茶マニアは一日2、3リットルもお茶を飲みます。
私は公私ともにお茶が大好きなので4リットルは毎日飲んでいます。
だからお茶の劣化は招きません。
初心者の皆さんは、そんな生活を目指さなくていいです。
というか、普通出来ません。
なので早くお茶を飲むんじゃなく、買う量を減らして茶葉の劣化に立ち向かいましょう。
【 具体的にはどのくらいの量がベストなの? 】
お茶を飲む事への抵抗がなくなり、自然に急須で飲みながらも煎茶だけでなく色々なお茶を飲んだり、他の飲料を飲む楽しい生活。
それに適した量は30-50gほどでしょう。
ですからFuji-teaはその為に50g入りのチャック付きスタンドパックで用意されていますし、富士御茶ギフトは30g入りで先様が楽しく飲みきれる量になっています。
100gの煎茶を1種類買うより50gの煎茶と50g白折を買う方が絶対に楽しいお茶ライフを始めることができます。
酸化による劣化で茶葉をダメにするリスクもあるので、最初は少量ずつ色々な味のお茶を楽しみ、こなれて来たら詰め替えで100gでお求めになったり同じお茶を50g×2袋で買うのがオススメです。
ちなみにまる茂茶園の初心者向け茶器セットはまさにそのコンセプトで作っています。
どんな種類のお茶でも飲め、少量ずつ色々な個性の味のお茶を飲み比べ。その後で好きなお茶だけ飲んでもらえればいいのですから。
ですので、はじめから100gしか選択肢のないお茶屋さんで買うのも避けましょう。
初心者お断り! と暗に行っているような所です。
優しくレクチャーしてくれません。
(お店の人は優しくても内容がハードモードの可能性が高いのです)
【 -まとめ- 初心者向けのお茶はこうやって選ぶ! 】
というわけで、以下に初心者向けのお茶の選び方をまとめます。
避けるべきは
・安いお茶
・高すぎるお茶
・深蒸し茶
・100g
ですので、具体的には
・30g-50gで500-1200円位のお茶を買う。
※自分が一ヶ月で飲みきれる量、出せる値段で
となります。
さらに最初は茎茶やほうじ茶等味や香りの違うものと一緒に2種類以上買っておくと飲み比べたり淹れ方の違いを学んだりとお茶を知るのに役立ちます。
買うところは初心者セットや量り売りの在るお茶屋さんで買うのがオススメ。産地の農家さんのネット直販は便利ですし品質良いと思います。
以上の点に気をつければ、初心者向けの茶葉選びで大きな失敗を避けることができます!